Blues Driverを選ぶ理由:ブルースからロックまで対応できる万能ペダル

エフェクター
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ギター初心者が初めて選ぶエフェクターとして人気のBOSS Blues Driver(BD-2)は、幅広い音作りが可能で、静かな曲から激しい曲まで対応できる万能なオーバードライブです。本記事では、世界中のギタリストに愛されるブルースドライバーの魅力や音作りのポイントをご紹介します。

Blues Driverはどんなエフェクター?

Blues Driver(BD-2)はどのような特徴を持つエフェクターなのでしょうか?まずは音を聴いてみてください。

①クランチサウンドが特に優秀なオーバードライブ

Blues Driver(BD-2)は、ジャキジャキとしたザラつき感がありながらもウォームなオーバードライブペダルです。GAINを下げればピッキングニュアンスが残るクランチサウンドを、GAINを上げれば潰れたようなディストーションサウンドを作れます。クリアでコシのあるサウンドに、きらびやかさと甘さが共存する独特の音質は、他にない魅力を持っています。バンドアンサンブルに程よく馴染み、特にバッキングギターに最適です。リードギター向けではなく、裏で支える役割に適したペダルです。

②強めの歪みも作ることができる

Blues Driver(BD-2)は名前からブルースを連想しがちですが、GAINを上げると芯のある歪みを得られ、高出力のハムバッカーではハードロックサウンドも可能です。ただし、BD-2は自然なオーバードライブを重視しているため、ヘヴィメタルやハードロックの強い歪みには向いていません。高ゲイン時にはノイズが増えたり音質が悪化する可能性があり、これらのジャンルにはより適したディストーションペダルやハイゲインアンプの歪みを使った方がいいでしょう。

③アンプライクなサウンド

Blues Driver(BD-2)は、そのサウンドが真空管アンプに非常に近いことで知られています。その理由は、BD-2の回路設計が真空管アンプの特性を再現するように設計されているからです。真空管アンプの持つ独特の温かさとナチュラルな歪みを手軽に得られる点が、多くのギタリストに愛される理由の一つです。

④ブースターとしても優秀

Blues Driver(BD-2)は、単体の歪みエフェクターとしてだけでなく、ブースターとしても優秀です。アンプで基本の音を作っている場合でも、BD-2を加えることで音に明るさをプラスし、存在感のあるサウンドにすることができます。一般的に歪みエフェクターはアンプや楽器のサウンドキャラクターを大きく変えてしまうこともありますが、BD-2は個性を加えつつもアンプの持ち味を保つ、バランスの取れたペダルであるため、ブースターとしての評価も高いエフェクターです。

⑤抜ける音を作りやすい

Blues Driver(BD-2)は、ハイミドルが強調された硬めで鋭い音色が特徴で、バンドアンサンブルの中でいわゆる「抜ける音」を作りやすいエフェクターです。BOSSの他の定番オーバードライブ、OD-1やSD-1は甘いトーンが特徴ですが、BD-2はまた違ったトーンであるため、このほうがバンド演奏においては理想的な場合も多いです。

⑥ギター側のボリューム操作での表現力が高い

多くの歪みペダルは、ギターのボリュームを絞ると高域が劣化し、こもったような音になってしまいますが、BD-2は真空管アンプに似せて作られているため、歪みを減らしても「使える音」を保ちながら、ほぼクリーンに近い音まで調整可能です。特にロック系のアルペジオでは、BD-2の絞った音が素のクリーンよりもよくマッチします。ギターのボリュームさえ操作すればクリーントーンからハイゲインODまで対応できることも、BD-2が愛される理由の一つでしょう。

⑦繊細なピッキングニュアンスを出しやすい

Blues Driver(BD-2)は、ピッキングの強弱に反応して音色が変わるため、繊細で表現力豊かな演奏が可能です。強く弾けば深い歪みが得られ、優しく弾けば硬さと歪みが和らいだサウンドを奏でます。このピッキングニュアンスの調整は難しいですが、ギターの腕が上がるほどBD-2の良さを実感できるでしょう。ドライブを絞ったときの反応の良さは特に上級者向けと言えるかもしれません。

⑧ノイズは多め

Blues Driver(BD-2)は、その特性上、ノイズが比較的多めに発生することがあります。特にGAINを高めに設定すると、エフェクターが生成する歪みが強くなるため、ノイズが目立つことがあります。これは、BD-2が真空管アンプに近いサウンドを実現するために、幅広い音域をカバーする設計になっているためです。ノイズを最小限に抑えたい場合は、他のノイズゲートやサプレッサーとの併用を検討すると良いでしょう。

他のOver Driveとの違いは?

出典:BOSS

Blues Driver(BD-2)は、従来のBOSSオーバードライブとは異なる回路設計が施されており、アンプ設計の視点で作られています。その結果、本物の真空管アンプの歪みに非常に近い音を得ることができます。また、サウンドの傾向としてはTSやOD-1、SD-1が甘めのトーンであるのに対して、BD-2はブライトで明るく、ジャキっとした乾いたサウンドが特徴です。

どんなジャンルに使えるの?

BD-2はそのサウンドの多様性により、さまざまな音楽ジャンルに柔軟に対応することができるエフェクターです。以下は、BD-2が特に合ういくつかのジャンルです。

①ブルース

BD-2は、ブルースの音楽スタイルに特有の温かみのあるオーバードライブサウンドを忠実に再現するように設計されています。特に、その柔らかな歪みと豊かなミドル帯域が、ブルースギターの表現力を引き立てます。GAINを適度に設定することで、ブルースに求められるクリアでありながらも適度に歪んだトーンを得ることができ、ピッキングのニュアンスやダイナミクスも自然に反映されます。

さらに、BD-2はアンプライクなサウンドを提供し、真空管アンプに近い音色を実現するため、ブルースの特有の「温かさ」や「粘り」を感じさせる音作りが可能です。そのため、ブルースのリードやバッキングにおいて、音の深みとキャラクターをしっかりとサポートし、ブルースならではの情感豊かな演奏を実現します。

②J-POP

BD-2の柔らかいオーバードライブと温かみのあるサウンドは、J-popの多様な音楽スタイルに自然に溶け込みます。特に、クリーンから軽い歪みまで調整可能なため、J-popの楽曲に必要な繊細でナチュラルなトーンを提供します。GAINを低めに設定すれば、ソフトで透明感のあるサウンドが得られ、メロディックなリフやコード進行に柔らかさを加えることができます。

特に、アコースティックな要素を含むJ-popの楽曲や、エレキギターの存在感を控えめにしつつも、しっかりとした音を求める場面に最適です。

③ガレージロックや0世代ロック

BD-2は、豊かなミドル帯域と、ジャキジャキとしたザラつき感のあるオーバードライブサウンドが特徴です。これにより、ガレージロックの粗削りでエネルギッシュなスタイルや、0世代ロックの特有のアグレッシブなトーンを容易に再現できます。

特に、BD-2の歪みは力強さとともに温かみを持っており、ガレージロックの音楽性に欠かせない粗野でありながらもキャラクターのある音を作り出します。GAINを上げることで、過激で粗削りな歪みを得ることができ、0世代ロックの攻撃的なリフやリードギターのサウンドにマッチします。

④カントリー

BD-2の軽い歪みは、カントリーギターのリードやリフに適しています。特に、明るくクリアな音色を持ち、カントリー特有のリズミカルなプレイやスライドギターに良く合います。

BD−2を使用しているギタリストは?

以下のギタリストはBD−2を使用しています。

  • ジョン・メイヤー
  • ラリー・カールトン
  • ポール・ウェラー
  • ビリー・ジョー・アームストロング
  • ケヴィン・パーカー
  • トム・モレロ
  • 山口一郎(サカナクション)
  • 岸田繁(くるり)
  • 橋本絵莉子(チャットモンチー)
  • 藤原基央 (BUMP OF CHICKEN)
  • 増川弘明(BUMP OF CHICKEN)
  • 田渕 ひさ子(ex.number girl)
  • 後藤ひとり(「ぼっち・ざ・ろっく」)

Blues Driverのツマミはどうなっている?

出典:BOSS

Blues Driverのツマミについて解説していきます。

①GAIN

歪みの量を調節できます。上げることでエフェクター的な歪み方をします。積極的に歪ませる場合はGAINを上げましょう。また、9時〜10時くらいに設定しておくと、クリーンな音から歪んだ音までピッキングのニュアンスで表現することができます。

②LEVEL

音量を調節できます。12時でフラットな音量をになるようです。10時を過ぎたあたりで真空管アンプのようなナチュラルなオーバードライブがかかります。ナチュラルに歪ませるならGAINよりもLEVELを中心にサウンドメイクをするのが良いでしょう。

③TONE

音のトーンを調節できます。高音域がキンキンしやすいので上げ過ぎには注意です。

Blues Driverの用途別セッティング例

いくつかの用途での、BD-2のセッティング例を紹介します。

①リードギターのメインの歪みとして使う

ブルース寄りのエモーショナルなリードギターサウンドを作る場合は、GAINではなくLEVELを上げて歪ませることでナチュラルなオーバードライブサウンドを作りましょう。ここでGAINも上げてしまうと歪みが汚くなります。

GAIN8時〜9時くらい
LEVEL12時〜MAX
TONE9時〜12時くらい

②クランチサウンドのメインの歪みとして使う

ガレージロックやJ-POPに適したジャッキジャキのクランチサウンドを作る場合は、LEVELは歪まないギリギリの設定(10時くらい)にして、歪み量はGAINで調整します。TONEは好みで設定すれば良いですが、上げすぎると高音がうるさい感じになるので注意しましょう。

GAIN11時〜3時くらい
LEVEL10時くらい
TONE10時〜12時くらい

③パンクやハードロックのメインの歪みとして使う

BD-2はしっかりと歪むオーバードライブなので、パンクやハードロックにも対応可能です。音が潰れず粒立ちの残った歪みが得られます。LEVELは歪まないギリギリの設定(10時くらい)にして、歪み量はGAINで調整します。

GAIN1時〜4時くらい
LEVEL10時くらい
TONE11時〜12時くらい

④ゲインブースターとして使う

BD-2はブースターとしてアンプや他のエフェクターで作った歪みをさらに強くするためにも使えます。歪みが強くなるだけでなく、ハイミドルが強調されるようなサウンドになり、ギターソロの時に使用すると特に効果的です。

GAINメインの歪みは他のアンプやエフェクターで作っているため、BD-2では8時~9時くらいの低めに設定します。メインの歪みに対して、BD-2の歪みを少し足すくらいのイメージです。
LEVEL12時~3時あたりがおすすめですが、パワーのあるサウンドにしたいときはもっと上げてもいいです。
TONE好みで設定すればいいですが、上げすぎると高音域がうるさくなりやすいので12時前後がおすすめです。

⑤クリーンブースターとして使う

クリーンブースターは、他のアンプやエフェクターで作ったサウンドをそのまま活かしつつ、音をプッシュして際立たせたいときに便利です。また、真空管アンプの歪みチャンネルに接続すると、アンプのイコライザーでは調整しきれない耳障りな高域を適度に抑え、抜けの良いタイトなトーンを実現します。

GAIN0
LEVELMAX
TONE好みで設定すればいいですが、上げすぎると高音域がうるさくなりやすいので12時前後がおすすめです。

BD-2とBD-2Wの違いは?

出典:島村楽器

BD-2WというBD-2の進化版が存在します。どちらもBlues Driverですが、いくつかの違いがあります。BD-2はクラシックな定番サウンドを維持している一方、BD-2Wはそれを進化させた、より高音質で多機能なペダルです。以下は両者の主な違いです。

①モード切替

BD-2Wは、「Standard」と「Custom」という2つのモードを搭載しており、より多彩な音作りが可能です。StandardモードではオリジナルのBD-2サウンドを再現し、Customモードではより太く迫力のあるトーンが得られるのが特徴です。

②回路設計

BD-2WはWaza Craftシリーズ特有のカスタム設計を採用し、より高品質なパーツを使用しています。これにより、音質が向上し、アナログ回路の暖かさや自然な歪みがさらに際立っています。

③価格

BD-2Wは高品質なパーツやモード切替の追加により、BD-2よりもやや高価格です。

Blues driverに似ているエフェクターは?

Blues driverは定番と言われるエフェクターなので、Blues driverに似せたサウンドのエフェクターも多く存在します。ここでは、そんなBlues driver系のエフェクターを紹介します。

ROWIN / BLUES

出典:Amazon

ROWIN BLUESは、手頃な価格で人気のコンパクトなミニエフェクターブランド「ROWIN」が製造するオーバードライブペダルです。このペダルは、BOSSのBD-2 Blues Driverに影響を受けたサウンドを提供し、ブルースやロック、クラシックロックなど、幅広いジャンルで使用されています。

Movall / MP100 Interplanetary Blues Drive

出典:Amazon

Movall MP100は、小型で使いやすく、シンプルな操作で多用途に対応できるオーバードライブペダルです。音の質感や反応が良く、特にブルースやロック、オルタナティブなどのジャンルに適しています。手頃な価格で高品質なペダルを求める初心者や、スペースを節約したいギタリストにおすすめの一台です。

Donner / Blues Drive

出典:島村楽器

BD-2と比べて歪みが少なく、クリーンセッティングのアンプでは物足りなく感じるかもしれません。また、音が細く感じられることも。しかし、クランチセッティングで使用すると、音がふくよかになり、心地よい歪みが得られます。特にHotモードに切り替えるとその効果が顕著です。70年代のブルースロックに似た太い歪みが得られるので、そういったジャンルに合うペダルです。

One Control / Silver Bee OD

出典:ギタセレ

One Control BJFe Series Silver Bee ODは、Honey Bee ODを元にBJF本人がカスタムしたアンプライクなペダルです。クリーンからオーバードライブまで手元のタッチで調整できる高いレスポンスと、クラシックなコンボアンプのようなトーンが特徴。さらに、従来のトーンに加えて、よりブライトなサウンドを実現しています。

MOOER / Blues Mood

出典:MOOER

Blues Moodは、ブルーススタイルに最適なアンプライクなトーンと反応性を持つオーバードライブペダルです。幅広い周波数帯に対応し、特に低音域が豊かでベースでも使用可能です。Bright/Fatの2モードのトーン切替スイッチを搭載し、楽曲やギターに応じた多様な音作りができます。トゥルーバイパス仕様で、バイパス時の音色変化の心配もありません。

One Control / Sonic Blue Twanger

出典:ONE CONTROL

Sonic Blue Twangerは、ブラックフェイス期のアメリカンアンプ・サウンドを再現したアンプ・イン・ア・ボックス(AIAB)ペダルです。美しいクリーントーンからクランチサウンド、ハードドライブまで幅広いサウンドをカバーし、ギターのコントロールやピッキングのニュアンスにも忠実に反応します。小型ながら、アンプの演奏感をしっかりと感じさせるペダルです。

RevoL effects / NAVY BLUE OVERDRIVE EOD-01

出典:株式会社キョーリツコーポレーション

RevoL effects NAVY BLUE OVERDRIVE EOD-01は、2種類のドライブモードと広いダイナミックレンジを持つ、チューブライクなオーバードライブ・ペダルです。パワフルなドライブサウンドが得られる「BOOST」モードと、ナチュラルなクリーンブーストが特徴の「CLEAN」モードを切り替えることができます。

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