はじめてのリバーブエフェクター!使い方や種類を基礎から解説

エフェクター
記事内に広告が含まれています。

リバーブは反響や残響を人工的に生み出し、空間の響きを人工的に再現するエフェクターです。空間の響きを再現することで、壮大な雰囲気を演出したり、バンドサウンドの中に馴染ませたりすることができます。そのため、ライブでもレコーディングでもかなり重要なエフェクターと言えます。

この記事ではリバーブエフェクターの使い方や種類を基礎から解説していきます。ぜひ購入の際の参考にしてみてください!

リバーブエフェクターを使うとどんな音になるの?

リバーブとは、「残響」を意味し、音が発生したあとにもその音が響いて残る現象のことを言います。大ホールのような広い空間やお風呂場のような音の響きを再現したエフェクトで、幻想的な雰囲気を演出したり、少し音をぼやけさせることでバンドサウンドに馴染ませたりと色々な目的で使われています。

また、制作においても非常に重要なポジションを担うエフェクトでもあります。残響のない空間というのは現実には存在しないので、ライン録りしたギターパートに少しリバーブをかけることで自然な鳴りを演出することができるのです。

リバーブとディレイの違いってなに?

空間系エフェクターの代表的なものにリバーブとディレイがあります。この2つは効果が似たエフェクターなので、混同してしまう人も多いです。ここでは、リバーブとディレイの違いについて整理しておきましょう。

リバーブは空間の鳴りや残響を生み出すエフェクターです。広い空間で演奏しているような音の広がりや、狭い部屋で演奏しているような響きを演出できます。

それに対して、ディレイは遅延した音を生み出すエフェクターです。音が鳴った後、山びこのように一定間隔で音が遅れて鳴ります。

リバーブとディレイの違い

・リバーブは残響
・ディレイは
山びこ

アンプのリバーブとペダルのリバーブって何が違うの?

単体のエフェクターとして数多くのリバーブが発売されていますが、ギターアンプにもリバーブが搭載されていることが多いです。この2つはどのような違いがあるのでしょうか?

ギターアンプに搭載されているリバーブの特徴

アンプ搭載のリバーブとリバーブペダルの違いですが、アンプ搭載のリバーブは1種類のリバーブのみが搭載されている場合が多く、設定も細かくは変更できないことが多いです。

リバーブペダルの特徴

リバーブペダルの場合は数種類の異なる響きのリバーブが搭載されていて、細かい設定ができることが多いです。また、高機能なモデルになるとステレオ出力が可能だったり、セッティングの保存が可能だったりと、便利で使いやすい機能が備わっていたりします。

ツマミの解説

基本的には下記のツマミを操作してリバーブ音を作っていきます。

LEVEL(レベル)またはMIX(ミックス)

元々のギターの音(原音)に対して、残響音(リバーブ)をどれくらい大きくするかを調整します。モデルによっては「Wet/Dry」と表示されることもあり、その場合WETに回せばが残響音が強く、DRYに回せば原音に近くなります。

REVERB TIME(リバーブタイム)またはDECAY(ディケイ)

残響の持続する時間を調整します。狭い空間を演出したい時は短く、広い空間を演出したい時は長くします。

TONE(トーン)またはDAMP(ダンプ)

リバーブのトーンを調整します。高機能なモデルだとイコライザーのように細分化されたツマミが付いていることもあります。

PRE DELAY(プリディレイ)

残響音が鳴り出すまでの時間を調整します。シンプルなモデルには付いていない場合もあります。プリディレイを調整することで、どのくらいの大きさの部屋で演奏しているかを演出することができます。残響音が鳴りだすのを遅くすれば、大きい空間で演奏しているような雰囲気になり、残響音が鳴りだすのを早くすれば、狭い空間で演奏しているような雰囲気になります。

リバーブペダルの接続順

基本的にはギターアンプの直前に接続します。ディレイペダルと合わせて使う場合は、ディレイペダルの反響にリバーブペダルの残響を乗せるのが自然な響き方なので、ディレイペダルの後ろに接続させるのが一般的です。

また、アンプで歪みを作る場合、アンプにエフェクトループ/センドリターンがあれば、歪みの後にリバーブを掛けられるのでよりキレイなリバーブサウンドを得る事ができます。

エフェクトループ、センドリターン機能とは?

センドリターンはエフェクトループとも言い、一度信号をアンプから外部のエフェクターに送って戻す経路です。ギターアンプはプリアンプ(音色を作る回路)とパワーアンプ(スピーカーを鳴らすための電力増幅する回路)から構成されており通常は内部で接続されていますが、この「プリアンプの出口」と「パワーアンプの入り口」の間にエフェクターを挟むことでエフェクターが効果を正しく発揮する順番で使用することができます。センドリターン機能をつかうことで、より綺麗なエフェクト音を鳴らすことができます。

リバーブエフェクターの基本的な使い方

隠し味としてほんの少しだけリバーブを掛けたり、ギターソロなどここぞという場面で使うと厚みが増して迫力のあるサウンドになります。

常時薄いリバーブをかける

ギターサウンドをバンドサウンドに馴染ませるための使い方です。リバーブの量が強くなると音に輪郭が無くなってくるので、薄めにしておきましょう。

常時深いリバーブをかける

常時深いリバーブをかけることで、「ベンチャーズ」のような60年代風サーフサウンドを作ることができます。こうした使い方には、後述する「スプリングリバーブ」が適しています。

ギターソロなどの特定の場面でかける

ギターソロなどの特定の場面でリバーブをかけることで、壮大な雰囲気や幻想的な雰囲気を出すことができます。また、主張の強い音やフレーズでも自然にバンドサウンドに馴染ませつつ聞かせることができます。

リバーブエフェクターの種類

リバーブにはいくつかの種類があり、その種類によって響き方が違います。リバーブペダルによっては複数のリバーブを搭載していますが、違いが分からなくて困ることも多いかもしれません。

ここでは代表的なリバーブの種類とそのサウンドの特徴をチェックしていきましょう!

プレートリバーブ

プレートリバーブは元々薄い大きな鉄板を振動させて残響音を作っていました。自然界の残響とは違うため、「メカニカルリバーブ」とも呼ばれます。音の立ち上がりが早く、癖のない自然な響きが特徴です。主にボーカル用のエフェクトとして使用されます。

スプリングリバーブ

スプリングリバーブは元々金属製のバネを振動させて残響音を作っていました。こちらもプレートリバーブと同じく「メカニカルリバーブ」の一種であると言えます。暗く金属的な音が特徴でアナログ感のある残響音が特徴です。ギターによく使われるリバーブで、ギターアンプに内蔵されていることもあります。

ホールリバーブ

ホールのような広い空間で音を鳴らした時に発生する残響音を再現したリバーブです。残響音が長く、原音から遅れて聞こえるのが特徴です。残響時間を長くするほど大きな空間で演奏したような雰囲気になります。壮大な雰囲気の楽曲やオーケストラサウンド、スローテンポのバラードなどに適したリバーブです。

カテドラルリバーブ

大聖堂で演奏した時の残響音を再現したリバーブです。雰囲気はホールリバーブに似ていますが、よりウェットな質感を持つのが特徴です。ホールリバーブ同様、ゆったりとした曲や壮大な曲に適したリバーブです。

ルームリバーブ

寝室やリビングなど比較的狭い空間で音を鳴らした時に発生する残響音を再現したリバーブです。ホールリバーブとは対照的に、音の立ち上がりが早く残響音が短いのが特徴です。雰囲気はチャンバーリバーブと似ていますが、チャンバーリバーブの方がスタジオでの残響音を再現していることもあり、明るくクリアなサウンドになっています。ドラムや弦楽器などでよく使われるリバーブです。

エコーチャンバー(チャンバーリバーブ)

チャンバーは、残響音を録るための部屋のことです。昔はリバーブを作るために反射板などをいろんな角度で設置して作った、リバーブ専用の部屋を作っていました。そういった部屋の残響音を再現しています。雰囲気はルームリバーブと似ていますが、リバーブ専用の部屋だけあり、非常にクリアで明るい残響音が特徴です。ボーカル、ギターなどと相性が良いですが、元々R&Bやクラシックロックでよく使われていたリバーブなので、ビンテージ風の質感を加えたいという時にも使えます。

ゲートリバーブ

リバーブとノイズゲートを組み合わせて作られたリバーブです。残響音が設定したレベルに減衰した瞬間にゲートでバッサリと切ることで残響が長く伸びることはありません。リバーブによる音の被りや濁りを最小限に減らすことができるため、ドラムのような楽器に最適で、それぞれのドラムキットの音を邪魔をすることなく、深いリバーブをかけることも可能になります。

シマーリバーブ

「shimmer」とは「きらめき」を意味し、キラキラした幻想的なサウンドのリバーブです。このキラキラしたリバーブは、原音のオクターブ上の音を重ねたり、オクターブ下の音を重ね、倍音を加えることで作り出されます。パイプオルガンやシンセサイザーのようなサウンドを作ることができる、比較的新しいタイプのリバーブです。

おすすめのリバーブペダル

おすすめのリバーブペダルを紹介します。

TC Electronic SKYSURFER MINI REVERB

3種類のリバーブを搭載しつつ手頃な価格で、高いコストパフォーマンスを実現したデジタルリバーブです。薄いリバーブから広がりをもつ深いリバーブまでカバーすることができます。アンプのリバーブに代わるリバーブペダルを1つ持っておきたい人におすすめです。

TC Electronic DRIP SPRING REVERB

ブルースやサーフミュージックで聞かれるような1960年代のスプリングリバーブのサウンドを再現したペダル。ヴィンテージな雰囲気のリバーブがリーズナブルな価格で得られます。「使っているアンプに搭載されているリバーブは近代的で合わない」という人におすすめです。

BEHRINGER DR600 Digital Reverb

6種類のリバーブを搭載したデジタルリバーブペダルです。3千円程度で購入できるモデルですが、自然な雰囲気のリバーブから深いリバーブまで作ることができます。

ELECTRO-HARMONIX HOLY GRAIL

非常に自然で美しい残響音を再現したデジタルリバーブの名機であり、歴史ある人気モデルです。非常にシンプルな仕様で、モード切替用スイッチが1つとレベル変化用のツマミが1つ付いているだけです。しかし、その音色やクオリティはたくさんの人を魅了してきたリバーブで、上品で美しいサウンドが特徴です。

BOSS RV-6

BOSSの定番リバーブエフェクターであった「RV-5」のリニューアルモデルです。一般的なリバーブに加えて、モジュレーションが加わるリバーブやシマーリバーブ、ディレイが加わるリバーブなど、全8種類ものサウンドを切り替えて使うことができるようになっています。サウンドに癖はなく、3つのツマミで直感的に音作りが可能なため、初心者の方にもおすすめできます。

TC ELECTRONIC Hall of Fame 2 Reverb

8種類のリバーブタイプを搭載した、非常に高音質でプロにも愛用者が多いペダルです。スマートフォンの専用アプリから「Tone Print」機能を使うことができ、プロが作ったセッティングをそのまま使うことができます。また、ペダルを踏み込む強さでエフェクトの掛かり具合が変わる「MASH機能」というものが搭載されており、従来のリバーブペダルでは不可能だったサウンドも作り出すことができます。

TC ELECTRONIC Hall Of Fame Mini Reverb

「Hall of Fame 2」をよりコンパクトにしたモデルで、ツマミが1つという非常にシンプルなペダルです。こちらも「Tone print」機能を使うことができます。サウンドのクオリティが高いにも関わらず価格はリーズナブルなので初めてのリバーブペダルにもおすすめできます。現在は後継機が発売されています。

ELECTRO-HARMONIX OCEANS 11

11種類のリバーブエフェクトが搭載されているペダルです。音作りの幅広さを重視する人には特におすすめできるペダルです。また、エフェクターをオフにしてもエフェクトの残響音が残る「TAILS」 という機能が備わっており、自然にエフェクトの切り替えができます。

STRYMON blueSky

「シマーリバーブ」を世に広めた有名なモデルです。もちろんシマーリバーブだけでなく通常のリバーブも高品質です。3種類の残響を3つのモードと掛け合わせ9種類のサウンドバリエーションを生み出すことができます。ツマミが多いため、音色の調整の自由度がかなり高いのも特徴です。プリセットを保存できるので、本体のツマミで設定した音とプリセットの音の2つを切り替えることができます。

STRYMON BigSky

「blueSky」の上位機種であり、搭載しているリバーブは12種に増え、300個のプリセットを記憶できるようになりました。ステレオ入出力にも対応しています。ただしサイズは一回り大きくなっており、価格も初心者には手を出しにくい価格になっています。

STRYMON FLINT

「blueSky」「BigSky」が現代的なサウンドなのに対し、「FLINT」はヴィンテージ系サウンド志向のペダルです。1台のペダルでリバーブとトレモロをかけることができます。リバーブとトレモロは3種類ずつ用意されており、どれも60年代~80年代サウンドを再現しています。ブルースやジャズなどで使用するリバーブペダルを探している人におすすめです。

Vivie DolphinDeverb

「Deverb」は「Delay」と「Reverb」を合わせた造語で、この1台でリバーブとディレイ、両方のエフェクトが掛けられるペダルです。リバーブが原音ではなくディレイ音のみにかかるという仕様なので、原音の輪郭を損なわないまま、空間の響きを演出をすることができます。もちろん、ディレイ単体・リバーブ単体としても機能します。

One Control PRUSSIAN BLUE REVERB

シンプルな機能のリバーブペダルです。搭載しているリバーブは1種類のみで、ツマミも「LEVEL」「TONE」「DECAY」の3種類だけ。ただ、非常にナチュラルなリバーブで、常時かけっぱなしにするリバーブとしても使いやすいモデルです。

まとめ

リバーブエフェクターはライブにおいても制作においても無くてはならない重要なエフェクターです。それゆえにこだわりを持つ人も多く、それに合わせて多くのモデルが作られています。今回紹介したリバーブペダルはごく一部なので、ネット上の試奏動画や楽器屋で実際に音を聞いたりして、たくさんのリバーブペダルに接してみましょう!

タイトルとURLをコピーしました