ワウはペダルを踏みこむことで「ギターの周波数帯を変化させる」エフェクターです。周波数を変化させる回路が組み込まれており、ペダルを踏込むことで高音域が強調された抜けの良い音になり、ペダルを戻すと低音域が強調されたこもった音になります。ブーストされる周波数をリアルタイムに変化させることで、ギターサウンドに表情を付けることができます。
この記事ではワウペダルの使い方を基礎から解説していきます。ぜひ購入の際の参考にしてみてください!
ワウペダルを使うとどんな音になるの?
ワウパダルは、ペダルを踏みこむことで「強調される音の高さ(周波数帯)をリアルタイムに変化させる」ことができます。ペダルを踏み込むと高音域がブーストされ、反対にかかと側にペダルを倒すと中低音域がブーストされます。このペダルコントロールによって、滑らかに「ワウワウ」とうねる音を作り出します。ワウペダルには音痩せがしやすいというデメリットもありますが、トゥルーバイパス仕様により音痩せを解消したモデルも増えています。
ワウとワーミーの違いってなに?
ワーミーは Digitech 社が販売するエフェクターです。ワウとワーミーは名前は似ているので混同してしまう人もいるかもしれませんが、全くの別物です。
ワウペダルは「強調される音の高さ(周波数帯)」を変化させるエフェクターです。「音のこもり具合」が変化するので、ギター本体についているトーンノブの変化が大きいバージョンみたいなイメージです。
それに対して、ワーミーペダルは「音程」を変化させるエフェクターです。トレモロアームが付いていないギターでも、アーミングのようなサウンドを鳴らせることが可能です。「ド」の音を弾いても「レ」の音に変化させたり、オクターヴ上の音に変えることができます。ピッチシフターと似ていますが、音程の変化を足下でリアルタイムに操作できるのがワーミーペダルです。
オートワウってなに?
オートワウは足元でペダル操作を行わなくても自動でワウをかけてくれるエフェクターです。「タッチワウ」「エンベロープフィルター」という名称で呼ばれることもあります。一定の周期でワウを掛けるものや、ピッキングの強弱に追従して掛かり方が変わるものなどがありますが、足元でのリアルタイムの操作ではないため細かいニュアンスや表情付けはワウペダルには敵いません。ワウペダルとは別物として見ておくべきでしょう。
ワウペダルの接続順
ワウペダルは歪み系の前か後に接続します。どちらに接続するかでサウンドが変わってきますので、好みのサウンドに近い方を選びましょう。
ワウが先、歪み系が後
この接続順の場合は、先にワウを通して周波数に変化を与え、そして歪み系でその音を歪ませる、という流れになります。サウンドは比較的ナチュラルでマイルドな音になります。ちなみにアンプで歪ませる場合も、理論上はこの接続順ということになります。
歪み系が先、ワウが後
一方、この接続順の場合は、歪み系を通すことによって増えた倍音を、それごと特定の周波数だけをブーストすることになるので、ワウの強調された過激なサウンドになります。セッティングによってはハウリングが発生しやすくなるため注意が必要です。
ワウペダルの基本的な使い方
ワウペダルはペダルを強く踏み込むことでエフェクトのON /OFFを切り替えることができます。そして、スイッチがONの状態で足でペダルを上下に動かすことで音のこもり具合を変化させます。
使い方としては大きく2つに分けられます。
音に表情を付ける
フレーズに合わせて足元でペダルの開閉を行い、音に表情を付けることができます。ギターソロやカッティングのフレーズで使われることが多いです。
また、ペダルを踏み込んだ状態では高音域がブーストされるのでフィードバックが発生しやすくなり、ペダルを戻すとフィードバックの量が下がっていきます。この特性によって、ギターソロなどでフィードバックによる表情付けに使うこともできます。
半止めでミッドブースターとして使う
ワウペダルを最後まで踏み込まず、半分くらいの位置で止めることでミッドブースターとして使うことができます。これはペダルが半分くらいの位置だと中音域が強調されるという特性を利用したものです。中音域はギターの一番おいしい音域なので、増幅されると音が気持ちよく前に出てくれます。ギターソロの時におすすめの使い方です。
おすすめのワウペダル
おすすめのワウペダルを紹介します。
VOX V847-A
VOX社の初心者向けのワウペダルで、マイルドに歪みをかけることができます。マイルドでウォームなサウンドのため、カッティング時に使うと効果的です。クラシックな雰囲気のワウ・ペダルが欲しい人にはおすすめです。
VOX V845
「V847-A」よりも低音に寄せたような現代的なサウンドで、暗めなトーンのワウペダルです。筐体が軽く、価格もリーズナブルなので、初心者にも手が出しやすいモデルです。
JIM DUNLOP GCB-95 CRYBABY WAH WAH
王道のワウペダルで自然かつパワーのある歪みを持たせることができるため、プロのギタリストにも多く愛用されているモデルです。高域側の変化量が大きいため激しく歪んだ音にも相性が良く、激しく感情を載せたプレイができます。価格も1万円程度で購入できます。
JIM DUNLOP CRYBABY 95Q WAH
「GCB-95 CRYBABY」に3つの機能を追加した進化モデルです。通常のワウペダルではペダルをつま先側まで完全に踏み込むことでワウのオン・オフが切り替わりますが、「95Q」ではペダルを踏み込んだ瞬間にワウがオンになり、足を離せばペダルは勝手に手前に戻るので、そのままエフェクトがOFFになります。また、強調する周波数の幅を調節することができ、強めのワウからナチュラルなワウまで使い分けることができます。ワウをオンにしたときに少しだけ音量が上がる機能もあるため、ギターソロでも使いやすいモデルになっています。
JIM DUNLOP CBM95 CRYBABY Mini Wah
定番ワウペダル「CRYBABY」の半分ほどのサイズ、かつ1/4ほどの重量の小型ワウペダルです。ノーマルなワウサウンドの「GCB95」、低音域を強調した「Low」、60年代ヴィンテージサウンドの「Vintage」の3つのモードを搭載しており、多彩な音作りに対応しています。
JIM DUNLOP CBJ95 CRYBABY JUNIOR
定番ワウペダル「CRYBABY」をエフェクターボードにも組み込みやすいサイズに小型化したモデル。「GCB-95 CRYBABY」より小さく、「CBM95 Cry Baby mini」よりは大きいサイズです。「CBM95 Cry Baby mini」と同様に3つのモードを搭載しており、多彩な音作りができます。
BOSS PW-3
「RICH」と「VINTAGE」、異なる2つのモードを搭載したワウペダルです。「RICH」では低域が太くレンジの広いワウサウンド、「VINTAGE」では60年代のクラシックなワウサウンドを奏でることができます。コンパクトな筐体で、踏み心地の調整も可能になっているなど、利便性の高さも魅力です。
XOTIC XW-1
1960年代に製造された、ジミ・ヘンドリックスやジミー・ペイジなどが使用したイタリア製ワウ「Clyde McCoy Wah」を基にしつつ、より幅広い音作りが可能になったワウペダルです。ヴィンテージサウンドを基本にしながらも、2バンドEQを搭載し細かい調整ができます。音はヒューマンボイスのような響きで、個性的なワウサウンドと言えます。
Ibanez WH10V3
1987年に登場したワウペダル「WH10」の第3世代モデルです。新たにトゥルーバイパスモードを搭載し、原音を劣化させることなくワウプレイが可能となりました。エフェクトの帯域を切り替えることができるため、ギターとベースの両方に対応しています。音は太めのワウサウンドです。
MXR MC404 CAE Wah
インダクターを切り替えることができ、「高音域を強調したヴィンテージワウサウンド」と「低・中域の強調された太いワウサウンド」を切り替えることができるワウペダルです。他にもブーストスイッチを搭載していたり、状態を確認できるLEDライトを搭載していたりと多機能なモデルです。ワウのオン・オフに使う、つま先部分のスイッチが軽いため扱いやすいモデルと言えます。
BEHRINGER HB01 Hellbabe
リーズナブルな価格でハイクオリティな製品を販売しているBEHRINGERのワウペダルです。光学コントロールを採用しており、足を乗せて踏み込むだけで自動でオン・オフが切り替わります。周波数レンジを自由に調節できる機能があり、ギターとベースの両方に対応しています。音はかなりナチュラルなワウサウンドなので、強いワウを求めている人には向かないかもしれません。
ELECTRO-HARMONIX WAILER WAH
一般的なワウペダルと比較して半分程度の重さの、軽量ワウペダルです。音に関してはクラシック寄りの正統ワウサウンドです。ミニサイズのワウペダルは使いたくないけど、重いワウペダルは持ち運びたくない・・・という人にもおすすめのモデルです。
まとめ
ワウペダルは他のエフェクターと違い、演奏しながら足元でペダルを操作するのは慣れが必要ですが、エレキギターという楽器の表現の幅を大いに広げてくれます。初心者の人は早めに1つ手に入れてワウに慣れてみましょう。