Helixシリーズ徹底解説:機能・メリット・デメリットを完全ガイド

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LINE6はKemperやFractal Audio Systemsに並ぶデジタルアンプ/マルチエフェクターのトップブランドです。電子技術の向上により、デジタルモデリングは音楽界の標準となりました。そんな中、特に注目されているのがLINE6のHelixシリーズです。この記事では、Helixシリーズの概要、モデル一覧、各モデルの違いや特徴について比較・レビューします。

Helixとは?

Helixは下記の特徴を持つギタープロセッサーです。

①マルチエフェクターで有名なLine6の最高峰モデル

Helixは、PODによりギター界にデジタルをもたらし、「モデリング」という概念を普及させたLINE6の代表作であり、優れたサウンドとユーザビリティーを誇ります。最高の技術を投入し、最高の製品を作るということのみを追求したフラッグシップモデルで、デュアルDSPを搭載し、HXモデリング技術により高い再現性とリアルなサウンドを実現しています。

②用途に応じた多彩なモデルがある

Helixシリーズには、用途に合わせた多くのモデルがあります。1台で完結する”Floor”、ボードに組み込みやすい”HX Stomp”、レコーディング向きの”Helix Rack”など、用途に合わせて選ぶことができます。

そもそもギタープロセッサーとは?

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Helixシリーズのメリット

ギタープロセッサーとして、Helixシリーズを選ぶメリットを紹介します。

①独自のモデリングエンジンによる高いクオリティと再現性

「HXモデリング・エンジン」を使用し、実際のアンプサウンドに近いトーンを実現しています。録音環境を再現するIRに対応し、デュアルDSPによるパワフルなサウンドも特徴です。音質は非常にリアルで、特にチューブアンプの音は厚みとパワーがあり、デジタル機器であることを忘れるほどです。ヘッドホンやライン出力でも音質が損なわれないため、どの環境でも良い音を楽しめます。DSPの能力の高さが音質に明確に現れており、特にギターのボリュームを絞った時にHelixは自然に反応してくれます。また、ピッキングのニュアンスをしっかりと追従してくれます。

②システム全体をコントロールできるような設計

Helixは、単体で完璧なサウンドをクリエイトできるだけでなく、外部エフェクトやアンプと組み合わせて統合的なギターシステムを構築できる点が優れています。4系統のFX SEND/RETURNやアンプ・コントロール、CV/Expressionアウトなどの豊富な入出力端子により、すべての要素をHelixで集中コントロールできるような設計になっています。

③オーディオインターフェースとしても使用可能

Helixシリーズの大きな特徴は、オーディオインターフェース機能を持っていることです(HX Effectsは非搭載)。これにより、PCと直接接続してギターやベースの録音やミキシング、リアンプが簡単に行えます。作曲や編曲をする人や「弾いてみた」動画を作りたい人に最適な機材といえます。

④ユーザー目線の機能が豊富

Helixにはユーザー目線の便利な機能が数多く搭載されています。特に「スピルオーバー」と「フェイバリット機能」が特徴的です。

  • スピルオーバー:音色を切り替えたときに前のサウンドが残響音として少し残る機能で、ナチュラルな演奏が可能になります。
  • フェイバリット機能:気に入ったエフェクトを保存できる機能で、設定した音色をすぐに呼び出せるため便利です。

これらの機能は、プレイヤーが「あったらいいな」と思う要望を満たしており、Helixの大きな魅力の一つです。

⑤見やすいレイアウトで視認性と操作性が優れている

サウンドクオリティや機能も重要な要素ですが、「その機材を使いこなせるか」も重要な要素です。Helixは、従来のマルチエフェクターの使用感をさらに簡単で便利にし、美しいフルカラーの大画面表示で視認性が高いため、直感的に操作しやすいモデルです。

モデルによって異なる部分はありますが、例えばHelix Floorは、スクリーンに映し出されるエフェクトの色とフットスイッチのLEDの色がリンクしており、視覚的に「このバンクにはどんなサウンドか」を認識できます。

また、操作性が高く、エフェクトのパラメーター調節もフットスイッチだけで行えます。大型のメインディスプレイとフットスイッチのディスプレイには必要な情報が常に表示され、LEDリングがエフェクトの機能を一目で示します。フットスイッチの番号や名前も表示され、プリセット選択やエフェクトのオン/オフが直感的に操作できます。これにより、演奏中のスイッチの踏み間違いを防ぐことができます。

こうした、視認性や操作性の高さはHelixシリーズの魅力といえます。

⑥ライブごとにプリセットを管理できる

Helixにはセットリスト機能があり、プリセットをフォルダ分けして管理できます。ライブのセットリストに合わせて曲を並び替えて保存し、楽曲の進行に合わせて順送りでプリセットを切り替えられるため、踏み間違いを防ぐような設定が可能です。

Helixシリーズのデメリット

逆にHelixシリーズのデメリットにはどんなことがあるのでしょうか?

①人によっては、歪みがデジタル臭いと感じる

Helixの歪みがデジタル臭いかどうかは、使い方や個々の設定に依存します。一般的に、Helixは非常に高い音質とリアリズムを提供するよう設計されており、歪みも自然でリアルなサウンドを実現しています。筆者はHelixの歪みにデジタル臭さは感じず、実機のチューブアンプに近いと感じました。

ただし、デジタル機器であるため、特定の設定やエフェクトによってはデジタル臭さを感じることもあるかもしれません。

また、アンプモデルによってはKemperやAxe-Fxのアンプサウンドの方がリアルに感じることもあります。

気になる場合は、実際に楽器屋で試奏してみるのが良いと思います。

②多機能ゆえに設定が難しいことも

Helixは多機能で、完全に使いこなすには知識と経験が必要です。筆者は購入後数日間、マニュアルを読みつつYouTubeを見て設定やプリセット作成に集中しました。Helixは他のギタープロセッサーよりも直感的に操作できるような設計になっていますが、それでもある程度使いこなせるようになるまでに数日かかりました。

Helixシリーズのモデル一覧

Helixにはどのようなモデルがあるのでしょうか?ここでは2024年現在6種類あるハードウェアモデルを紹介していきます。

Helix Floor

出典:Line6

Helixシリーズの第1号機かつ最上位モデルであるこの機種は、足元での操作性が非常に高く、ライブ中でも設定変更しやすい設計になっているモデルです。2015年に登場し、圧倒的なフレキシビリティを持ち、様々な外部機器をコントロールできる多彩な入出力端子を装備しています。サウンドクオリティは非常に高く、多くのアンプモデル、キャビ、マイク、エフェクトを搭載しています。タッチセンシティブ・フットスイッチや大型LCDディスプレイでシンプルな操作性を実現し、ライブやレコーディング、宅録などあらゆる環境に対応できる万能モデルです。

Helix LT

出典:イシバシ楽器

Helix Floorのサウンドをそのままに、機能を縮小し価格を抑えたモデルがHelix LTです。Floorとの主な違いは、スイッチ上の画面が無いことと、入出力端子の数が減っていることです。しかし、主要な機能はほぼ同じで、サウンド面でも差はありません。2017年にリリースされ、Helix Floor同様ステージでの使用をメインに設計されたモデルです。コスパよくHelixサウンドを楽しみたい方におすすめです。

HX Stomp

出典:Line6

HX Stompは、上位機種と同じサウンドを小型軽量なボディに収めたモデルです。2018年にリリースされ、820gと軽く持ち運びが簡単で、エフェクトボードにも組み込みやすいサイズです。入出力端子は少ないものの、サウンドクオリティは上位機種と同等です。最大エフェクト数が6つと制限がありますが、ギターケースに収めて手軽に持ち運びたい方に最適です。

HX Stomp XL

出典:https://www.andertons.co.uk

HX Stompのややサイズが大きくなったモデルです。コンパクトなサイズながらフットスイッチが8基搭載で、フットスイッチの割り当てがより柔軟にできます。同時使用可能なエフェクトブロック数はHX Stompと同じく最大6つで、 サウンドクオリティも同じです。HX Stompよりも高価にはなりますが、ライブパフォーマンスでの利便性を求める場合は、こちらのHX Stomp XLが適しています。

HX Effects

出典:楽天市場

HX Effectsはエフェクトのみを内蔵したリーズナブルなモデルです。アンプシミュレートやインターフェース機能がない点がデメリットですが、マルチエフェクターとして特化しており、全てのHelixエフェクターと往年の名機を幅広く収録しています。リーズナブルにHelixのエフェクターサウンドを導入し、自身のペダルボードシステムを拡張するのに最適です。また、MIDI送受信機能が優れており、外部アンプやペダルのコントロールも可能な設計となっています。

Helix Rack

出典:デジマート

Helix Rackは、2016年にリリースされたHelix Floorのラックタイプで、主にスタジオでのレコーディングを想定して設計されたモデルです。フットスイッチが付いておらず、ワードクロックの入力端子が装備されています。別売のHelix Controlを接続することで足元での操作も可能になり、ライブでも力を発揮してくれるでしょう。

Helixの周辺機器には何があるの?

Helixは専用の周辺機器も存在します。いくつか見ていきましょう。

Helix Control

出典:KEY

Helix Controlは、Helix RackやHelix LTの操作性を大幅に向上させるためのアクセサリで、ライブパフォーマンスやスタジオでの作業をサポートします。直感的な操作が可能で、演奏中の設定変更を容易にします。大きな特徴としては、各フットスイッチの上にLCDディスプレイがあり、バンク名やエフェクトの設定内容が表示されます。これにより、視認性が向上し、演奏中でも操作しやすい設計になっています。

Mission Pedals

出典:Line6

Mission Pedalsは、Helixシリーズと連携して使用できるエクスプレッションペダルです。音量の調整やエフェクトのパラメーター変更などをリアルタイムで操作できます。モデルとしては2種類存在します。

SP1-L6H

これはLine 6のHelixシリーズ用に特別に設計されたエクスプレッションペダルです。ペダルのトーロック機能を持っており、ヘリックスのプリセットの切り替えや特定のエフェクトのオンオフが可能です。スイッチが内蔵されており、ペダルの位置を変えるだけでなく、スイッチを使って他の機能をコントロールできます。

EP1-L6


こちらもLine 6の製品に対応するエクスプレッションペダルですが、特にHelix専用ではありません。スイッチが内蔵されていないため、単純なエクスプレッションペダルとして動作します。他のLine 6製品(POD、Mシリーズなど)と互換性があります。

Helix Backpack

出典:Amazon

Helix Backpackは、Helixシリーズの機器(Helix FloorやHelix LT)を安全に持ち運ぶための専用バッグで、機器のサイズに合わせた専用の収納スペースがあり、フィット感が抜群です。ライブやスタジオでの移動に最適で、機器を保護しつつ快適に移動できます。パッド入りのショルダーストラップとハンドルが装備されており、肩への負担を軽減し、長時間の移動でも疲れにくい設計になっています。

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