はじめてのコーラスエフェクター!使い方や種類を基礎から解説

エフェクター
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コーラスエフェクターは、複数のサウンドを混ぜ合わせ特殊な効果を得るモジュレーション系エフェクターの中でも最もポピュラーな存在です。ギター2本分の音が重なったような雰囲気になり独特の透明感が得られるため、クリーントーンに掛けて透明感や広がりを演出するといった用途が一般的ですが、ディストーションサウンドにかけても面白い効果が得られます。

この記事ではコーラスエフェクターの使い方や種類を基礎から解説していきます。ぜひ購入の際の参考にしてみてください!

コーラスエフェクターを使うとどんな音になるの?

コーラスはモジュレーション系というカテゴリーに入るエフェクターで、原音を2つに分け、一方はそのままで遅延させて、もう一方はピッチを揺らします。こうすることで、ギター1本の演奏でも2本のギターを弾いているような音になります。音がきらびやかになったり、クリーンサウンドでも厚みを持たせたりすることができるのはコーラスの大きな魅力です。

ピッチとは?

「音程、音の高さ」を表す音楽用語です。「ピッチのいい人」というのは、ヴォーカリストであれば音程が正確な人、楽器奏者なら演奏する音程が安定している人のことを言います。

モジュレーション系とは?

「Modulate(変調する)」という言葉から、変化させた複数のサウンドをミックスして特殊な効果を得るものを指します。ある要素を揺らして変化させるため、別名「揺れ系」「揺らし系」とも呼ばれます。コーラス、フェイザー、フランジャー、トレモロ、ビブラートあたりのエフェクターがモジュレーション系にカテゴライズされます。

ツマミの解説

コーラスエフェクターの基本的なツマミの表記と使い方について紹介します。

RATE(レイト) または SPEED(スピード)

音のピッチを揺らす速さを調節します。ツマミを左に回すとゆったりとした揺れ具合になり、右に回すと速く揺れてうねるような雰囲気になります。

DEPTH(デプス)

コーラスエフェクトのかかりの深さを調節します。左に回すと薄っすらとコーラスがかかり、右に回すと深いコーラスがかかります。

LEVEL(レベル) または MIX(ミックス)

原音とエフェクト音のバランスを調節します。右に回すことで原音に対してエフェクト音が大きくなります。

TONE(トーン) または EQ(イコライザー)

音のトーンを調整します。左に回すとマイルドな音になり、右に回すときらびやかな音になります。

コーラスペダルの接続順

モジュレーション系に属するコーラスは、「歪み系ペダルの後ろ」かつ「空間系ペダルの前」に繋ぐようにしましょう。歪んだ音がコーラスで揺れることで音に厚みやマイルドさを出すことができます。逆だと、コーラスで揺れる音に歪みをかけてしまい、あまりきれいな音にはなりません。

また、アンプにセンドリターン機能がある場合はエフェクトループ内に配置することで、より綺麗にエフェクト音がかかるようになります。

もちろん、あえて逆につなげて独特なサウンドを模索してみるのも良いでしょう。

エフェクトループ、センドリターン機能とは?

センドリターンはエフェクトループとも言い、一度信号をアンプから外部のエフェクターに送って戻す経路です。ギターアンプはプリアンプ(音色を作る回路)とパワーアンプ(スピーカーを鳴らすための電力増幅する回路)から構成されており通常は内部で接続されていますが、この「プリアンプの出口」と「パワーアンプの入り口」の間にエフェクターを挟むことでエフェクターが効果を正しく発揮する順番で使用することができます。センドリターン機能をつかうことで、より綺麗なエフェクト音を鳴らすことができます。

コーラスエフェクターの基本的な使い方

ギターにおけるコーラスエフェクターの基本的な使い方は以下の3パターンです。

クリーンサウンドと組み合わせる

クリーンサウンドと組み合わせることで、クリーンでありつつも音に厚みを持たせたり、音に透明感を出すことができます。アルペジオやカッティングなどで使うと、独特の美しい広がりが得られます。

歪みサウンドと組み合わせる

歪ませた音にコーラスをかけると歪みの倍音にもコーラス成分が加わり、歪みの中にややマイルドさがプラスされた厚みのある音色にすることができます。ポップな印象を出すことができますが、音の芯が感じられない音になったり激しい雰囲気はなくなったりします。

常にかけっぱなしにする

常にうっすらとコーラスをかけることで、高音域を強調したり音に厚みを出すことができます。いわゆるクリーンブースターのような使い方です。

クリーンブースターとは?

通常のブースターは、出力を上げてアンプに送る信号を大きくすることでアンプから出力される音を増幅するメカニズムですので必然的に歪み成分が入りますが、クリーンブースターは歪ませることなく音量を増幅させるエフェクターのことを言います。

ステレオコーラスとは?

2つのアウトプットを持っていて、2つのスピーカーからそれぞれ原音とエフェクト音を独立して出力できるのがステレオコーラスです。「Roland JC-120」に搭載されているコーラスと同じ原理で出力されるコーラスと言えます。エフェクターによってはこのステレオ出力を備えており、広がりのある美しい音の揺れを表現することができます。ただ、これには2つ以上のギターアンプや2つ以上のチャンネルが必要なため、準備に手間がかかります。

Roland JC-120とは?

1975年に日本のRoland社が発売したアンプで、全国のライブハウスやスタジオに必ずと言っていいほど設置されているアンプです。「JC」は「ジャズコーラス」の略でこのアンプには世界初のコーラスエフェクトが搭載されています。ステレオのスピーカーの片方を原音、片方をエフェクト音とすることで、広がりのある美しいコーラスサウンドを鳴らすことができます。

コーラスエフェクターの種類

コーラスにはアナログコーラスとデジタルコーラスの2種類があります。この2つは音の傾向が少し違うので、サウンドや好みに応じて選びましょう。

また、コーラスエフェクターはモデルによって音程の揺れ幅や揺れの速さに違いがあるので、こちらも好みに合わせて選び分けましょう。

アナログコーラス

アナログコーラスは「BBD素子」と言うパーツを使用してコーラス効果を発生させるコーラスエフェクターを指します。コーラス音が徐々に減衰するため音抜けや爽やかさでデジタルコーラスには劣りますが、自然で温かみのあるマイルドな音色になるのが特徴です。

BBD素子とは?

「Bucket Brigade Device」の略でエフェクターに使用される電子部品です。アナログ信号をバケツリレーのように順次渡してゆく事で信号を遅らせる構造になっており、ディレイ、フランジャー、コーラスなどのエフェクターに使用されています。BBD素子を通過する際に音は劣化してしまいますが、この劣化こそが高音域を弱め、独特の温かみのあるサウンドを作っています。

デジタルコーラス

デジタルコーラスはアナログコーラス特有の高域の減衰がないため、煌びやかで爽やかなサウンドが得られます。音抜けも良いですがバンドサウンドから浮いてしまいやすく、自然な雰囲気にならない場合もあります。現在では、アナログコーラスの自然な暖かみをシミュレートしたデジタルコーラスも多くあります。

おすすめのアナログコーラスペダル

おすすめのアナログコーラスペダルを紹介します。

Maxon CS550 Stereo Chorus

日本を代表するギタリスト、Charが監修しているアナログコーラスペダルです。自然な広がりをしつつも立体感のあるコーラスサウンドが特徴。ツマミの設定次第で強いコーラスをかけることもできます。

MXR M234 Analog Chorus

MXRの定番のBBD素子を使ったアナログコーラスペダルです。アナログらしい自然で暖かみのある美しいコーラスサウンドを鳴らすことができます。一般的なアナログコーラスのコントロールに加えて高域と低域とそれぞれのイコライザーが備わっているので、細かい調整をすることが可能になっています。比較的スタンダードなサウンドのため初心者にもおすすめできます。また、2つの出力端子から2台のアンプに接続するとステレオコーラスとして使用することもできます。

Providence ADC-4 Anadime Chorus

アナログコーラスとは思えないほど広がりのあるサウンドが魅力のコーラスペダルです。3段階の「DEEPスイッチ」により、深いコーラス効果を追加することができます。バッテリー残量が少ないことを知らせるLEDランプもついています。

BOSS CE-2W Chorus

「Roland JC-120」アンプのコーラスユニットを単体化させたアナログコーラス「CE-1」 の後継機種として登場した「CE-2」。「CE-2W」 はこの 「CE-1」「CE-2」 両方のサウンドを再現する完全アナログのコーラスペダルです。現在、「CE-1」「CE-2」は生産終了しているので、こうしたヴィンテージのアナログコーラスを求める人にはおすすめです。また、ステレオ出力にも対応しています。

BOSS DC-2W Dimension C

現在では生産終了となっている「DC-2 Dimension C」を復活させたモデルです。回路も新たに見直され、音質の面でも飛躍的に向上しています。「CE-2」が揺れのあるコーラスであったのに対し、「DC-2」はディメンションコーラス特有の揺れのない立体感のあるコーラスを鳴らすことができます。

Electro-Harmonix Small Clone

シンプルな操作性ながらクリアできらびやかなコーラスをかけることができるペダルです。ニルヴァーナのフロントマン、カート・コバーンが使用していたことでも有名です。90年代のオルタナティブロックのサウンドを求めるならチェックしてみるのも良いでしょう。コストパフォーマンスが高く、サイズもコンパクトなので最初の1台にもおすすめです。

TC Electronic AFTERGLOW CHORUS

ツマミが3つのシンプルな仕様で価格もとてもリーズナブルなので、初心者が手に取りやすいモデルです。アナログ回路ならではの温かみのある音色から、80年代風の派手な効果まで、幅広いコーラスサウンドを作り出せるペダルです。

TC Electronic 3RD DIMENSION CHORUS

5千円程度で購入できるディメンションコーラスです。簡単な操作で16種類の音作りが可能です。サウンドはディメンションコーラス特有の「音の広がりはあるが、音程は揺れない」という特徴が上手く再現されています。

おすすめのデジタルコーラスペダル

おすすめのデジタルコーラスペダルを紹介します。

BOSS CE-5 Chorus Ensembl

BOSSの「Chorus Ensemble」シリーズは歴史の長い定番のコーラスペダルです。深いコーラスがかかるペダルで、「FILTER」ツマミで特定の周波数をカット出来るようになっているので、耳障りな高音域や分厚くなり過ぎた低音域をカットしながら音作りすることができます。

BOSS CH-1 Super Chorus

「Super Chorus」シリーズは「Chorus Ensemble」シリーズと対をなす存在のBOSSのコーラスエフェクタで、「CH-1」は高域がよく出て音の輪郭がはっきりするコーラスペダルです。「Chorus Ensemble」シリーズは深くうねるようなコーラスであるのに対し、この「CH-1」は爽やかなイメージのコーラスです。そのため、エレキギターだけではなくアコースティックギターにも使いやすいエフェクターだと思います。

TC Electronic CORONA CHORUS

爽やかで美しいコーラスから深くうねるようなコーラスまで、幅広い音作りができるコーラスペダルです。「Tone Print」と呼ばれる機能が搭載されており、パソコンやスマホから音作りをしたり、有名なプロギタリストが音作りしたサウンドデータをそのまま読み込むことができます。そのため、様々なコーラスサウンドを一台で済ませたい人におすすめのペダルです。

STRYMON Mobius

空間系やモジュレーション系のペダルを中心に高品質なエフェクターを開発している「Strymon」が手がけたコーラスペダルです。12台のモジュレーションマシーンを搭載しておりコーラス以外のエフェクトも搭載されているため、マルチエフェクターのような感じで扱うことができます。デジタルコーラスのペダルではあるものの、アナログコーラスに近い暖かみのある自然なサウンドになっています。

STRYMON Ola Chorus

「3種類のコーラスタイプ」と「弾き方の強弱でエフェクトを変化させるモード」を搭載した、高機能なコーラスペダルです。サウンドにこだわりがある人におすすめです。デジタルコーラスではあるものの、アナログコーラスの回路をシミュレートしており、アナログコーラスに近いサウンドになっています。設定を本体に保存できるため、ワンタッチで前回作ったパラメーターを呼び出せます。

まとめ

コーラスエフェクターは使い方によってかなり個性的なサウンドを生み出すことができます。幻想的なアルペジオの楽曲の中で使うのはもちろん、激しい音楽の中でもコーラスのかかったクリーンサウンドは対比を演出することができ効果的でしょう。今回紹介したコーラスペダル以外にも数多くのモデルが存在しますので、楽器屋で実際に見たり試奏させてもらい、たくさんのコーラスペダルに接してみましょう!

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