最初の一台は何を買う?初めてのコンパクトエフェクター

エフェクター
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エレキギターを始めてアンプで練習をしていると、エフェクターが欲しくなってくると思います。

エフェクターにはコンパクトエフェクターとマルチエフェクターがありますが、筆者は初めてのエフェクターにはコンパクトエフェクターをおすすめしています。理由は、操作がシンプルで、それぞれのエフェクターのキャラクターがわかりやすいからです。デジタル機器の操作が苦手な人にも比較的操作しやすく、万人におすすめできると言えます。

この記事では初めてのコンパクトエフェクターの選び方や、おすすめのモデルを解説しています。

また、コンパクトエフェクターとマルチエフェクターの違いについては下記の記事で解説しています。

コンパクトエフェクターの「最初の1台」を選ぶ時のポイント

エレキギター初心者が、初めてコンパクトエフェクターを購入する時のポイントを解説します。

①歪み系、コーラス、ディレイ、リバーブ、ワウがオススメ

初めてエフェクターを購入するのであれば、歪み系、コーラス、ディレイ、リバーブ、ワウあたりのエフェクターをおすすめします。理由は、変化がわかりやすいからです。せっかくエフェクターを買うのですから効果がはっきりしていた方が楽しく、モチベーションも上がると思います。逆に、コンプレッサーやイコライザーといった初心者には効果が分かりづらいエフェクターは、最初は選ばない方が良いでしょう。

これらのエフェクターは多くの音楽ジャンルで使われており、これからどんな音楽ジャンルをやっていくにしても使うことがあると思います。特に歪み系は使用頻度が高く最初の1台としておすすめですが、歪みは持っているアンプでかける人もいると思うので、そういった場合はコーラスやディレイ、ワウなどを1台目にするのも良いと思います。

②価格が手ごろなもの

ギターを弾いていると音や演奏スタイルの好みは変わっていくものです。そして、それに合わせてエフェクターも買い換えていく人が多いです。ただ、初心者のうちは音や演奏スタイルの好みも定まっていないと思うので、あまり高価なエフェクターを買うのはおすすめできません。高価なエフェクターを買うのは、エレキギターを続けていくうちに好みが定まってきてからでも遅くはないのです。

近年は手ごろな価格でも品質の良いエフェクターが多く存在しています。有名なブランドではBOSSがリーズナブルで品質の高いモデルを多く発売しています。

③やりたい音楽ジャンルから選ぶ

もし、ある程度やりたい音楽ジャンルが定まっているなら、そのジャンルに合わせたエフェクターを選びましょう。深い歪みが必要な音楽ジャンルなのか?コーラスを多用する音楽ジャンルなのか?・・・など、やりたい音楽ジャンルを考慮してエフェクターを購入することで、使用頻度も高くなりモチベーションも上がります。また、好きなギタリストが使っているモデルや、それに近いものを使うのも良いでしょう。

④試奏してから購入しよう

エフェクターを購入する前に何度か楽器屋さんに足を運び、実物を見たり試奏させてもらうことをおすすめします。特に初心者のうちは基本的なエフェクターの音でもイメージできない場合もあるので、「思っていた音と違った」とならないように必ず楽器屋さんで試奏をさせてもらいましょう。

初心者におすすめのオーバードライブペダル

オーバードライブは歪み系の中では最もポピュラーなエフェクターで、真空管アンプを歪ませたような温かみのある歪みをかけたい時に使用します。歪みはアンプで作るという人も、アンプの歪みと合わせて使用したり、ブースターとして使用できるので1つ持っておくことはおすすめです。

ブースターとは?

オーバードライブなどの歪みペダルをゲインを絞りボリュームを上げた状態で使用すると、ギターサウンドが前面に飛び出てきます。主にギターソロの時などに使用します。

BOSS SD-1 SUPER OverDrive

40年以上売れているオーバードライブペダルで、明るくマイルドな歪みがかかります。もともと、BOSSが発売していたオーバードライブペダル「OD-1」に「TONE」コントロールを加えて音作りを追い込めるように進化させたモデルが「SD-1」です。単体で歪みをかけるのに使っても良いのですが、アンプの歪みに「SD-1」の歪みを足してあげると、アンプの歪みにさらなる色気が増幅され、とても心地よいサウンドが得られます。
また、ギターソロなどの時のブースターとしてもよく使われています。

BOSS OD-3 OverDrive

「SD-1」と並んで定番のオーバードライブペダルです。暖かさと明るさを思わせるサウンドで、単体でそれなりのゲイン量を得ることができます。ハードロックやメタルなどの深い歪みを必要とする音楽でなければ「OD-1」単体でもかなり使える音になります。
「SD-1」との違いは、「SD-1」が明るくキメの細かいオーバードライブなのに対して、「OD-3」は明るいものの「SD-1」ほど明るくはなく少し荒々しいオーバードライブと言えます。また、「SD-1」より太めな音でノイズも少ないです。こちらもブースターとしてもよく使われています。

BOSS BD-2 Blues Driver

明るいイメージの歪みをかける「SD-1」や「OD-3」に対して、この「BD-2」はやや暗く荒々しさを持つオーバードライブです。「Blues Driver」という名前ですが、ブルースだけでなくロック、ポップス、ファンクなど幅広いジャンルで使用されています。荒々しくもコードの響きがしっかり出ます。
「BD-2」自体でメインのドライブサウンドを作るのはもちろん、「BD-2」でアンプへの入力ゲインをブーストすることで、アンプの歪みをさらに深くするような使い方もできます。

BD-2について、詳しく知りたい方は下記の記事がおすすめです。

Ibanez TS9 Tube Screamer

もはや歪みエフェクターのカテゴリの1つとなっているTS。音色はかなりミッドレンジに寄った音で、歪みの粒は細かいものの単体ではあまり歪みません。しかしこうした特性からチューブアンプとの相性が良く、クリーンサウンドにプラスすればよりブルージーに、歪みサウンドと組み合わせればマイルドな歪みになります。
また、比較的素直な歪み方でアンプの持つサウンドキャラクターを変えることなくゲインを稼ぐことができるため、ブースターとして使われることが主流です。

初心者におすすめのディストーションペダル

ディストーションはオーバードライブよりも深い歪みをかけるときに使います。主にハードロックやヘヴィメタルなどの激しい音楽に使用されることが多いですが、現代ではポップスでも使われます。単体で十分歪むので基本的にアンプはクリーンな設定にして使います。

BOSS DS-1 Distortion

長きにわたって愛されているディストーションペダルです。「DIST」ツマミをいじることで、クランチから強い歪みまで作ることができます。また、「TONE」ツマミをいじることで重量感のある音から鋭い音まで作ることができます。操作性が良く、いわゆる定番のディストーションサウンドをパッと作ることができます。

BOSS MT-2 Metal Zone

メタルで使えるような、より深いディストーションを実現するのがこの「MT-2」です。キメ細かいディストーションで簡単にメタルサウンドが手に入ります。4つあるツマミのうち2つは「2軸」となっているため、実質6つのツマミを搭載しています。そのため、音作りの幅が広いペダルと言えます。ハイゲインゆえにノイズが出やすいので、シングルコイルよりハムバッカー向きです。

下の記事では歪み系エフェクターについて、より深く解説しています。

初心者におすすめのコーラスペダル

コーラスエフェクターは複数のサウンドを混ぜ合わせ特殊な効果を得るモジュレーション系エフェクターの中でも最もポピュラーな存在です。ギター2本分の音が重なったような雰囲気になり独特の透明感が得られるため、クリーントーンに掛けて透明感や広がりを演出するといった用途が一般的ですが、ディストーションサウンドにかけても面白い効果が得られます。

BOSS CE-5 Chorus Ensembl

BOSSの「Chorus Ensemble」シリーズは歴史の長い定番のコーラスペダルです。深いコーラスがかかるペダルで、「FILTER」ツマミで特定の周波数をカット出来るようになっているので、耳障りな高音域や分厚くなり過ぎた低音域をカットしながら音作りすることができます。

BOSS CH-1 Super Chorus

「Super Chorus」シリーズは「Chorus Ensemble」シリーズと対をなす存在のBOSSのコーラスエフェクタで、「CH-1」は高域がよく出て音の輪郭がはっきりするコーラスペダルです。「Chorus Ensemble」シリーズは深くうねるようなコーラスであるのに対し、この「CH-1」は爽やかなイメージのコーラスです。そのため、エレキギターだけではなくアコースティックギターにも使いやすいエフェクターだと思います。

TC Electronic CORONA CHORUS

爽やかで美しいコーラスから深くうねるようなコーラスまで、幅広い音作りができるコーラスペダルです。「Tone Print」と呼ばれる機能が搭載されており、パソコンやスマホから音作りをしたり、有名なプロギタリストが音作りしたサウンドデータをそのまま読み込むことができます。そのため、様々なコーラスサウンドを一台で済ませたい人におすすめのペダルです。

TC Electronic AFTERGLOW CHORUS

ツマミが3つのシンプルな仕様で価格もとてもリーズナブルなので、初心者が手に取りやすいモデルです。アナログ回路ならではの温かみのある音色から、80年代風の派手な効果まで、幅広いコーラスサウンドを作り出せるペダルです。

TC Electronic 3RD DIMENSION CHORUS

5千円程度で購入できるディメンションコーラスです。簡単な操作で16種類の音作りが可能です。サウンドはディメンションコーラス特有の「音の広がりはあるが、音程は揺れない」という特徴が上手く再現されています。

下の記事ではコーラスエフェクターについて、より深く解説しています。

初心者におすすめのディレイ・ペダル

ディレイは原音に遅れた音を混ぜることで山びこ効果を与えるエフェクターです。ギターソロにかけることで雰囲気がかなり良くなり、アルペジオにかければ幻想的な雰囲気を作り出すことができるなど、様々な使い方があります。

BEHRINGER VD400 Vintage Delay

圧倒的な低価格で、非常にコストパフォーマンスが高いディレイペダルです。ヴィンテージのアナログディレイに近い温かみのある音で、BOSSから発売されている「DM-3」とかなり近い音だと言われています。また、ツマミが少ないため初心者にも扱いやすいと言えます。

Ibanez ADMINI

Ibanezの小型サイズのディレイペダルです。比較的価格が高くなる傾向があるディレイペダルですが「ADMINI」は9千円程度で購入できます。ADは「Analog Delay」の略で、コンパクトながらフルアナログ回路を採用しているため、表情豊かな音色が特徴です。

TC Electronic THE PROPHET DIGITAL DELAY

ショートディレイからロングディレイまでデジタルディレイに必要な機能を網羅したディレイながら1万円を切る低価格で、高いコストパフォーマンスを実現したディレイペダルです。特殊な機能は搭載されていませんが、いわゆる普通のデジタル・ディレイを求めている人やディレイ入門機を探している人にとって最適なモデルと言えるでしょう。多くの高品質なエフェクターを発売しているTC Electronicのエフェクターでクリアで抜けるサウンドが特徴です。

下の記事ではディレイエフェクターについて、より深く解説しています。

初心者におすすめのリバーブペダル

リバーブは反響や残響を人工的に生み出し、空間の響きを人工的に再現するエフェクターです。このリバーブも初めてのコンパクトエフェクターにおすすめできるエフェクターですが、もしアンプについているリバーブで満足している人は、まずは別のエフェクターを購入した方がいいでしょう。ちなみにアンプ搭載のリバーブとリバーブペダルの違いですが、アンプ搭載のリバーブは1種類のリバーブのみが搭載されている場合が多く、設定も細かくは変更できないことが多いです。それに対してリバーブペダルの場合は数種類の異なる響きのリバーブが搭載されていて、細かい設定ができることも多いのです。

TC Electronic SKYSURFER MINI REVERB

3種類のリバーブを搭載しつつ手頃な価格で、高いコストパフォーマンスを実現したデジタルリバーブです。薄いリバーブから広がりをもつ深いリバーブまでカバーすることができます。アンプのリバーブに代わるリバーブペダルを1つ持っておきたい人におすすめです。

TC Electronic DRIP SPRING REVERB

ブルースやサーフミュージックで聞かれるような1960年代のスプリングリバーブのサウンドを再現したペダル。ヴィンテージな雰囲気のリバーブがリーズナブルな価格で得られます。「使っているアンプに搭載されているリバーブは近代的で合わない」という人におすすめです。

BEHRINGER DR600 Digital Reverb

6種類のリバーブを搭載したデジタルリバーブペダルです。3千円程度で購入できるモデルですが、自然な雰囲気のリバーブから深いリバーブまで作ることができます。

ELECTRO-HARMONIX HOLY GRAIL

非常に自然で美しい残響音を再現したデジタルリバーブの名機であり、歴史ある人気モデルです。非常にシンプルな仕様で、モード切替用スイッチが1つとレベル変化用のツマミが1つ付いているだけです。しかし、その音色やクオリティはたくさんの人を魅了してきたリバーブで、上品で美しいサウンドが特徴です。

下の記事ではリバーブエフェクターについて、より深く解説しています。

初心者におすすめのワウペダル

ペダルを踏みこむことで「ギターの周波数帯を変化させる」エフェクターです。ペダルの位置によって特定の周波数帯がブーストされるため、足でペダルを動かすことで低域から高域まで、ブーストされる周波数をリアルタイムに変化させることができます。基本的には「リードプレイ」や「カッティング」で音に表情をつけるために使われます。

VOX V847-A

VOX社の初心者向けのワウペダルで、マイルドに歪みをかけることができます。マイルドでウォームなサウンドのため、カッティング時に使うと効果的です。クラシックな雰囲気のワウ・ペダルが欲しい人にはおすすめです。

VOX V845

「V847-A」よりも低音に寄せたような現代的なサウンドで、暗めなトーンのワウペダルです。筐体が軽く、価格もリーズナブルなので、初心者にも手が出しやすいモデルです。

JIM DUNLOP GCB-95 CRYBABY

王道のワウペダルで自然かつパワーのある歪みを持たせることができるため、プロのギタリストにも多く愛用されているモデルです。高域側の変化量が大きいため激しく歪んだ音にも相性が良く、激しく感情を載せたプレイができます。価格も1万円程度で購入できます。

下の記事ではワウペダルについて、より深く解説しています。

まとめ

エフェクターを選ぶ時のポイントから、比較的リーズナブルでおすすめのモデルを紹介しました。まずは操作が簡単なコンパクトエフェクターを使ってみることでエフェクターに慣れていってください。少しずつエフェクターを使いこなせるようになって、自分のサウンドを構築していきましょう。

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